藤田保健衛生大学 呼吸器内科学Ⅰ教室:記事  

2017.6.13

HM16-283

HM16-283

2017年5月30日

 

研究に関する情報公開文書

 

研究課題名:進行期非小細胞肺癌における、EGFR-TKI療法の治療経過および予後に関する後方視的研究

 

1.研究の対象

2012年1月~2020年12月に当院で肺癌(非小細胞肺癌)に対してEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(ゲフィチニブまたはエルロチニブまたはアファチニブ)による治療を受けられた方

 

2.研究目的・方法・研究期間

研究目的:進行期肺癌に対する近年の治療においては、腫瘍の遺伝子変異様式に基づいた効果的治療法の開発が進められています。中でも、EGFR遺伝子変異は、本邦の非小細胞肺癌症例においてこれまで知られている原因遺伝子変異のうち最多であり、同遺伝子変異を標的とした分子標的治療薬の開発と利用が、肺癌の治療戦略において大きな役割を担っています。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)は、EGFR遺伝子変異を有する腫瘍に対する良好な効果を示し、これまでに同薬による療法を施行された患者の予後が劇的に延長することが示されてきました。しかしながら、同薬の奏効性や副作用は個々の患者によって異なるため、その臨床経過および予後は多様であります。また、既存の殺細胞性抗がん剤を主体とした全身化学療法の併用も考え併せた総合的な治療戦略において、EGFR-TKIのもっとも有効な適応法は、未だ確立していません。

そこで、進行期非小細胞肺癌に対する有効な全身化学療法の治療戦略を確立するために、EGFR陽性非小細胞肺癌に対してEGFR-TKI療法を施行した患者を対象に、治療後の病巣の進展パターンや増悪の経過、病巣組織の組織学的/遺伝子学的変化について解析するとともに、対象患者の臨床経過や予後に関する特性について後方視的に解析します。

研究方法:これまでに藤田保健衛生大学病院でEGFR-TKI療法を受けられた肺癌の患者さんを対象に、当院の電子カルテに保管される対象者の診療記録および検査データから、観察対象時期の診療情報を抽出します。EGFR-TKI投与後の画像検査データから腫瘍の分布を経時的に比較し、再増悪の時点を同定し同時点での病変の分布パターンを表記します。主な解析の項目は、EGFR-TKI療法施行後、腫瘍の縮小を経て再増大に至った時点での病巣の分布様式です。患者さん個人の氏名および診療番号は別の番号表記に匿名化し、匿名化した状態で患者情報の取り扱いを行うため、個人情報が特定されたり公開されたりすることはありません。

研究期間;2017年1月1日 〜 2020年12月31日

 

3.研究に用いる試料・情報の種類

情報;・検査画像(Xp、CT、MRI、PET-CT、骨シンチグラム)におけるがん病変の形態・サイズ・分布、等

・病理診断における組織所見・がん遺伝子変異パターン 等

・病歴、治療期間、治療後の状態、カルテ番号、年齢 等

試料;なし

 

4.外部への試料・情報の提供 

なし

 

5.研究組織

研究責任者:藤田保健衛生大学 呼吸器内科学I 教授  今泉 和良

 

研究分担者 藤田保健衛生大学 呼吸器内科学I教室 助教 魚津 桜子

 

研究協力者 藤田保健衛生大学 呼吸器内科学I教室 講師 中西 亨

藤田保健衛生大学 呼吸器内科学I教室 講師 林 正道

藤田保健衛生大学 呼吸器内科学I教室 講師 磯谷 澄都

藤田保健衛生大学 呼吸器内科学I教室 講師 後藤 康洋

 

 

6.除外の申出・お問い合わせ先

本研究の対象になられる方で、ご自身のデータの利用を除外してほしいと希望される方は、下記問い合わせ先までご連絡下さい。除外のお申し出により不利益を被ることは一切ありません。研究のより詳しい内容をお知りになりたい場合は、他の患者さんの個人情報保護やこの研究の独創性確保に支障がない範囲で、試料を閲覧していただくことが可能です。希望される場合は、担当研究者にお申し出下さい。

 

 

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

藤田保健衛生大学 呼吸器内科学I

担当者:魚津 桜子

愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98

電話 0562-93-9241

e-mail: suozu@fujita-hu.ac.jp